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×しずらい、×せざるおえない・・・入試で減点されうる危うい日本語

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注意すべき「ひらがな」

× ~しずらい

〇 ~しづらい

動詞+「つらい(辛い)」から成る表現なので「ず」ではなく「づ」を用いるのが正しい。

例:見づらい、言いづらい、読みづらい

※類似表現の「~しにくい/~しがたい」の漢字は「~し難い」と書く。

× 気ずく

〇 気づく

気+つく(付く)から成る表現なので「ず」ではなく「づ」を用いるのが正しい。

※「きずく」は「築く」である。
※他に「近づく」「根づく」「基づく」「裏づける」「片づける」「踏んづける」など。
※「おやこづれ(親子連れ)」「そとづら(外面)」「こづかい(小遣い)」「てづくり(手作り)」「こづつみ(小包)」「たけづつ(竹筒)」「かんづめ(缶詰)」など、元が「つ」から来る表現に注意。

△ ~づつ

〇 ~ずつ

歴史的仮名遣い(旧仮名遣い)では「づつ」が使用されていたが、現代仮名遣いでは「ずつ」を使うとされている。

例:少しずつ、一人ずつ

※文化庁の現代仮名遣いのページによると、「づつ」の使用も許容範囲であるとされている。

× ~とゆう

〇 ~という

音では「ゆう」と聞こえても、文字として表記する際は「いう(言う)」とする。

例:何ということだ、それというのも

※「言う」と「いう」の使い分けについて、漢字文化資料館など専門家の見解によれば、口から言葉を発することを意味する場合は「言う」、補助動詞の場合は「いう」と表記するほうが良いとしている。

× 多いい

〇 多い(おおい)

「多い」が正しく、アクセントは最初の「お」に置かれる(○おぉぃ、×ぉぉいぃ)。

※「多いい」は方言であるという可能性が指摘されている(ウィキペディアなど)ものの、市民権を得ているとは言えない(少なくとも試験の答案やテレビ等の字幕に用いるにはふさわしくない)だろう。

× そのとうり

〇 そのとおり

漢字では「その通り」と書く。「通り」は「とおり」と表記するのが正しい。

例:言ったとおり、思いどおり

※他にも「おおきい(大きい)」「おおい(多い)」「とおい(遠い)」「ほのお(炎)」「こおり(氷)」「おおう(覆う)」「おおかみ(狼)」「おおやけ(公)」「こおろぎ」「おおせ(仰せ)」など、すべて「う」と表記しないことに注意。

× どおりで~なわけだ

〇 どうりで~なわけだ

漢字では「道理で」と書く。「道理」は「どうり」と表記するのが正しい。

例:窓が開いている。どうりで寒いわけだ。

※1つ上の「とおり」との区別に注意。たとえば「予想どおりで驚きはなかった」など。

× せざるおえない

〇 せざるをえない

この言葉は「せざる/を/えない」と分解して解釈する。「しないということができない」=「(不本意ながら)やらないわけにはいかない」ということ。

※「せざる=しない」「えない=できない」の意

例:言わざるをえない、頼らざるをえない

※「やむをえない」も「やむ(止む)/を/えない」と分解し、「止めるということができない」から来ると解釈することで「やむおえない」などと表記を間違えることはなくなるだろう。

× あるいわ

〇 あるいは

音では「わ」と聞こえても、助詞の「は」であれば「は」と表記するのが正しい。

※他にも「または」「もしくは」「さては」「いずれは」「とはいえ」「こんにちは」「こんばんは」などに注意。

△ 違かった/違くない

〇 違っていた/違っていない

動詞の「違う」を形容詞のように扱おうとすることで生まれたと見られる。

※形容詞的な用法を完全に誤用とするのは難しい可能性がある(NHK放送文化研究所)。
※対義語である「正しい」が「正しくない/正しかった」と変化することに引きずられて生まれた可能性もある(ニコニコニュース)。
※似たようなものに「~みたく」や「きれいくない」などがある。

× いちよ/いちよう

〇 一応(いちおう)

いちおう=一応、いちよう=一様

※「完璧ではないがとりあえず」という意味の言葉は「いちおう」(一応)。「いちよう」(一様)は、すべてのものが同じ様子であることを表す。

注意すべき「カタカナ」

※日本人でも意識的に区別できるレベルでの誤りについてのみ指摘する。ネイティブの発音に近づけろと言いたいわけではない。

× エコバック

〇 エコバッグ

bag は「バッグ」、back は「バック」と表記し、混同を避ける。

※同じように bed「ベッド」と bet「ベット」、dog「ドッグ」と dock「ドック」(人間ドックなど)、bad「バッド」と bat「バット」など、小さい「ツ」の後に濁音が来るときに清音に変えてしまう誤りが多い。特にここに挙げたものはみな英語では別の単語になってしまうものなので、よりいっそう注意しておきたいところ。

× 運動場を意味する「グランド」

〇 グラウンド

英語表記は ground なので「グラウンド」と表記すべき。「グランド」は grand である。

※grandは「壮大な」などの意味の形容詞。

× スムース

〇 スムーズ

英語表記は smooth であり、この th は 濁る音なので「ス」よりも「ズ」のほうが近い。

× シュミレーション

〇 シミュレーション

英語表記は simulation であり、文字通りに読めばよい。

× コミニュケーション

〇 コミュニケーション

英語表記は communication であり、文字通りに読めばよい。

× フューチャーする

〇 フィーチャーする

英語表記は feature であり、名詞では「特徴」、動詞では「呼び物にする、特集する」などの意。フューチャーは future「未来」という意味の名詞である。

× マニュフェスト

〇 マニフェスト

英語表記は manifesto であり、文字通りに読めばよい。

※「(政策などの)宣言書」の意。

× エキシビジョン

〇 エキシビション/エクシビション

英語表記は exhibition であり、h は読まないことに注意して他は文字通りに読めばよい。

※英単語の語尾のtionを「ジョン」と読むことはない。
※「展示;公開」などの意。

× ネグレスト

〇 ネグレクト

英語表記は neglect であり、文字通りに読めばよい。

※neglectは主に「必要な注意を払わない」といった意味の動詞(ただし名詞用法もある)。日本語としては「育児放棄」の意味で使われることが多い。

× オーバードーズ

〇 オーバードース

英語表記は overdose であり、s は濁らない「ス」。

※overdoseとは「(薬物等の)過剰摂取」の意。
※より英語の音に近づけて「オウヴァードウス」とも書けるが、「オー」と「オウ」、「ブ」と「ヴ」の書き分けは日本語では一般的ではないので、その部分に関してはこの記事では問題視しない。

× デザリング

〇 テザリング

英語表記は tethering であり、文字通りに読めばよい。

※tetheringとは、パソコンやゲーム機器等のインターネット通信をスマートフォンのモバイルデータ通信を利用して行うこと。

× パーテーション

〇 パーティション

英語表記は partition であり、文字通りに読めばよい。アクセントは「ティ」(ti)の部分に来る。

※「仕切り;区画」などの意。

× サスティナブル

〇 サステイナブル

「ティ」(テと小さいィ)は誤り。英語表記は sustainable であり、アクセントは「テイ」(tai)の部分に来る。

※「持続可能な」などの意。

× リラクゼーション

〇 リラクセーション

英語表記は relaxation であり、リラックス(relax)と同じく x は濁らない。

※「息抜き、くつろぎ」などの意。
※基本的に x は濁らず「クス(ks)」と読むか、濁って「グズ(gz)」と読むかのいずれかであり、「リラクゼーション」の「クズ(kz)」のように濁る音と濁らない音が混ざる読み方は存在しない。

注意すべき「漢字」

× 永遠と

〇 延々と(えんえんと)

延長の「延」が正しい。予定が延びて延びてまだ終わらない…ということ。

※「いつまでも続く」という意味なので「永遠」と間違えやすいのだろう。

× 話しが長い

〇 話が長い

名詞は「話」、動詞は「話し」

※「話し方」「お話しできて嬉しい」などの場合は動詞なので「し」が必要となる。

× 固定概念

〇 固定観念(こていかんねん)

「がいねん(概念)」ではなく「かんねん(観念)」が正しい。既成概念との混同に注意。

※固定観念とは『いつも頭から離れないで、その人の思考を拘束するような考え』(デジタル大辞泉|小学館)を意味する。
※なお、観念とは『物事に対してもつ考え』(同前)のことであり、
概念とは『物事の概括的な意味内容』(同前)のことである。要するに「個人がもつ考え=観念」「一般に共通の考え=概念」と大雑把に理解しておけば良いだろう。

× 耳障りの良い

〇 耳触りの良い/耳当たりの良い

「耳障り」なのは不快な音のこと。聞いていて心地良い音は「耳に触れる」もの。

※歯触りの良い、舌触りの良い、などのように感触の良さを表す表現と、目障りだ、耳障りだ、という不快であることを表す表現が混同されたものと見られる。
※字面ではなく音として聞いた場合、「みみざわり」というのは一般的には「耳障り」を連想させるため、「耳当たり」に置き換えるほうが良いとされる(文化庁広報誌buncul)。

× 進歩状況

〇 進捗状況(しんちょくじょうきょう)

「歩」ではなく「捗る(はかどる)」が正しい。

※「しんちょく」という読み方をしっかり押さえておきたい。

× 標準を合わせる

〇 照準を合わせる(しょうじゅんをあわせる)

ターゲットにぴたりと合わせるのは「照準」である。

※平均的であることや物事の基準となるものは「標準」である。

× 凡用性

〇 汎用性(はんようせい)

「汎」を「ぼん」と読むのは誤りである。「汎用性」とは、「広く一般的に活用できる性質」のこと。

例:汎用性を高める、汎用性に欠ける

※「ぼんよう」と読むなら「凡庸」となる。「優れた点がなく平凡であること;ありふれていること」を意味する。
※なお、「凡例」は「ぼんれい」ではなく「はんれい」と読むことに注意。

× ルールを適応する

〇 ルールを適用する(てきようする)

「応」ではなく「用」が正しい。「適用する」とは、「(規則などを事例に)当てはめて用いる」という意味。

例:条例を適用する、保険を適用する、基準を適用する

※「適応(てきおう)する」は「慣れる、なじむ」といった意味。「新しい環境に適応する」など。ドラえもんのひみつ道具テキオー灯(光を浴びると、海底でも宇宙でも体が「適応」して快適に過ごせるようになる)などで確実に覚えておきたい。

× 後進の鏡となる

〇 後進の鑑となる(こうしんのかがみとなる)

「模範、手本」という意味では「鑑」が正しい。

※「子は親を映す鏡」(子供は親を真似て育つ)というふうに、「鏡」を使った表現もある。

× 有効的な

〇 有効な(ゆうこうな)

「有効」は形容動詞の語幹であり、的を付けることはできない。

例:有効な方法、有効な対策

※「有効的な」という誤りは、同じ音である「友好的な」に引っ張られて生まれたものと考えられる。
※形容動詞の語幹には例えば「元気」「適切」「困難」などがある。これらはすべて「~だ、~な、~に」などを伴って一つの形容動詞を形成する。「有効的な」が正しいと思う人は、上記の語幹に「~的な」を付けてみれば、すぐに違和感があることに気付けるだろう(元気的な、適切的な、困難的な)。
※「~的」が付けられるのは「形容動詞の語幹ではない名詞」であって、要するに「~だ、~な、~に」を付けて用いることができない名詞である。「友好的な態度」とは言えても「友好な態度」とは言えない。これについては「×天才な/〇天才的な」「×具体な/〇具体的な」「×一般な/〇一般的な」などなど例は豊富にある。

× コロナ渦

〇 コロナ禍(ころなか)

渦は「うず」の意味。「不幸をもたらすもの」という意味では「禍」が正しい。

※「禍」は「わざわい」とも読む。

× 可愛そう

△ 可哀想(かわいそう)

そもそも漢字で表記する必要はない。

※あえて漢字表記をするなら文字の意味を踏まえて「可愛い」「可哀想」とするのが良いだろう。ただし、これらは当て字とされているため、わざわざ漢字を使う必要はない。
※由来などの詳細は語彙力LABを参照のこと。

△ ~し無い

〇 ~しない

ひらがなで表記するほうが読みやすい場合はあえて漢字を使わない。

例:△止ま無い雨は無い → やまない雨はない

※他に「事→こと」「出来る→できる」「~して見る→~してみる」など。詳細はひらがな書きが適当な例を参照のこと。

× 一色単(いっしょくたん)

〇 一緒くた

秩序なく何もかもがひとまとめになっている状態。

例:何もかも一緒くたにするな

※「くた」は芥(あくた)から来るもので、「ゴミ」の意。がらくたの「くた」も同じ。

× 趣を置く(おもむきをおく)

〇 重きを置く

重視する、大切にする。

例:早さよりも正確さに重きを置く

※趣(おもむき)は「味わい深さ」「情緒」「風情」などの意。

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