接尾辞(接尾語)って何?
「語尾にlyがつくと副詞」って聞いたことありませんか?
clear → clearlyとか、final → finallyとかですね。
もっと有名どころでは、動詞にerがついたら「~する人・もの」ですよね。
play → player、speak → speaker、drive → driver、write → writerなどなど。
接尾辞とはこのlyやerのことです。
わかりやすく言うと、接尾辞とは、単語のおしりにくっついて、意味をつけ足したり品詞を変えたりするもののことです。
接尾辞の魅力
接尾辞を覚えると単語力が上がります。
しかも楽に上がります。
例として、careという単語を見ていきましょう。
意味は名詞で「気遣い、世話、介護」等です。
1. careful 「注意深い、慎重な」
2. carefully 「注意深く、慎重に」
3. carefulness 「注意深さ、慎重さ」
1は-fulにより形容詞に、2は-lyにより副詞に、3は-nessにより名詞になりました。
ところで、”-ful”の意味は「~でいっぱいの、~に満ちた」ですが、反対の意味の接尾辞は何でしょう?
反対は-less「~のない、~に欠ける」です。
4. careless 「不注意な」
5. carelessly 「不注意に」
6. carelessness 「不注意」
4は形容詞、5は副詞、6は名詞です。
-fulの付く単語を見たら-lessもないか探してみましょう。
簡単に単語の知識が増やせますね。
接尾辞の雑学・小ネタ
-lyは副詞とは限らない
一番最初に書きましたが、「語尾に-lyがつくと副詞」は厳密には間違いです。
次の単語を見てみましょう。
7. friendly 「友好的な、仲良しの」
8. weekly 「週に一度の」
9. woolly 「毛織の、羊毛の」
上記はすべて形容詞ですが、すべて『名詞+-ly』となっています。※9はwoolyと書かれることもあります。
つまり、”-ly”には2つの用法があるということです。
・形容詞+-ly=副詞
・名詞+-ly=形容詞
実は、最近のセンター試験でこの知識が問われる問題が出ました。
品詞の正確な運用は語学力の知識を測る上で重要な事項ですので、そこに関わるという点でも、やはり接尾辞は覚えておいて損はありません。
ちなみに、friendlyにさらに-lyを足したfriendlily「友好的に、仲良く」という副詞もあります。参考までに。
「~される人・もの」
-erは「~する人・もの」ですが、反対に「~される人・もの」を表す接尾辞-eeもあります。
10. employee 「従業員、被雇用者」
11. interviewee 「インタビューを受ける人」
12. trainee 「訓練を受ける人」
10はemploy「雇用する」から、11はinterview「インタビューする、面接する」から、12はtrain「訓練する」から来ています。
「人・もの」を表す-ant
-antという接尾辞も「~する人・もの」という意味があります。
実は身近な単語に隠れています。
13. assistant 「補助者、助手」
14. attendant 「随行員、接客係」
15. consultant 「顧問、相談役」
13はassist「補助する」から、14はattend「付き添う」から、15はconsult「相談する」から変化していますね。
「女性」を表す-ess
-erのかわりに-essを用いると「女性」を表します。
16. actress 「女優」
17. godess 「女神」
18. princess 「王女」
ただし、近年の男女差別を嫌う傾向により、erをessに変えた単語はほとんど使われなくなってきています。
実際、16の”actress”は使用頻度が減り、男女関係なく”actor”を使うことが増えてきていますので、そうした傾向があることは覚えておいた方がいいでしょう。※17、18はまだ特に大きな問題はないようです。
普通の単語が接尾辞に
“like”という単語は、「好きだ」の意味の他に「~のような」という意味もあります。
19. doglike 「犬のような」
20. homelike 「我が家のような」
21. tubelike 「筒状の」
19は「忠実な、ひたすらな」の意味もあります。「犬」のイメージから来るのでしょう。20は「心安まる、気楽な」という意味もあります。21はそのままの意味です。
まとめ
英語にある程度触れていれば、『接尾辞』という言葉は知らなくても、なんとなく感覚としては身についていると思います。
でも、せっかくなのでどこかでじっくりと腰を据えて、真正面から接尾辞と向き合ってみてください。みるみるうちに語彙力が増えていきます。
最後までお読みくださり、本当にありがとうございました!
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