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第2問A
正解・配点
問1:2(2点)
問2:2(2点)
問3:1(2点)
問4:3(2点)
問5:5(2点)
和訳・解説
本文
あなたは学生ながら英国の学園祭バンドコンペの責任者として、3人の審査員のスコアとコメントを精査し、ランキングの理解と説明に努めています。
審査員による最終平均スコア | ||||
バンド名\特徴 | 演出力 (5.0) |
歌唱力 (5.0) |
楽曲の独創性 (5.0) |
合計 (15.0) |
緑の森 | 3.9 | 4.6 | 5.0 | 13.5 |
静かな丘 | 4.9 | 4.4 | 4.2 | 13.5 |
山の洋梨 | 3.9 | 4.9 | 4.7 | 13.5 |
千匹の蟻 | (出演せず) |
審査員の個別コメント | |
Mr Hobbs | Silent Hill の演出力は見事なもので、まさに観客と一体となっているように見えた。Mountain Pear は歌唱力が高かった。Green Forest のオリジナル曲がボクはとても気に入った。素晴らしかった! |
Ms Leigh | Silent Hill はすごい演出力を見せてくれた。彼らの音楽に対する観客の反応は信じられないほどのものだった。Silent Hill は間違いなく人気が出ると思う。Mountain Pear は声は素晴らしいのだけれど、ステージ上で盛り上げ役になれていたかというとそうでもなかった。Green Forest は優れた新曲を披露してくれたが、もっと練習が必要なように感じた。 |
Ms Wells | Green Forest は新しい歌を出しましたね。私、ハマりました!もしかしたら大ヒットしちゃうかも! |
審査員の共通評価(Mr Hobbsによる要約) |
どのバンドも合計スコアは同じだが、それぞれが非常に個性的である。ボクと Ms Leigh は、バンドにとって一番重要な資質は演出力だという点で意見が一致している。Ms Wells も賛同してくれた。したがって、1位を決定することは容易である。 2位と3位を決めるにあたっては、歌唱力よりも歌の独創性のほうが重要であるべきではないかと Ms Wells は提案した。ボクと Ms Leigh はこの意見に賛同した。 |
【解説】
本文の内容は難しくはないが、fact と opinion を判断させる点はセンター試験には見られなかった新形式。設問文と選択肢を正しく読む力がより一層問われることになるため、精密な読解力が要求される。
【語句】
・in charge of O「Oを管理・担当する/Oの責任者である」
・competition「競争/競技会」
・examine O「Oを診断する/Oを試験する」
・judge「審判/裁判官」
・explain O「Oを説明する」
・quality「質の高さ/資質/特徴」
・performance「演出(力)」
・originality「独創性/独自性」
・individual「個人の/各々の」
・connect A with B「AをBと結びつける」
・audience「聴衆/観客」
・amazing「感動するほど素晴らしい」
・incredible「信じられないほどすごい」
・respond to O「Oに対して反応する」
・fantastic「素晴らしい/優れた」
・practice「練習する」
・shared「共通の」
・evaluation「評価/見積り」
・summarize「要約する」
・agree (that) SV「SVということで意見が一致する」
・first place「第1位」
・determine O「Oを決定づける」
・decide「決める」
・suggest (that) SV「SVではないかと(控えめに)提案する」
【文法】
・they really seemed connected with the audience
⇒ seem を用いた受動態の一種。be動詞(ここでは were)の代わりに seemed を用いることで「~のように見える」と断定を避けたニュアンスとなり、主観的な内容であることを示す。
・they were not exciting
⇒ 「彼らは興奮していなかった」と訳すのは誤り。excite はそもそも「興奮させる」の意味であり、これが形容詞化した exciting も「(人を)興奮させるような」の意で捉えなければならない。つまり、ここでは「彼らは観客を興奮させる(盛り上げる)ようなバンドではなかった」という意味を表している。
・it could be a big hit
⇒ ここでの助動詞 could は「ひょっとするとありうるかも」といったやや低めの可能性を示す意図で用いられている。
設問・選択肢
問1 審査員の最終平均スコアを基にすると、歌唱力が最高だったのはどのバンドか。[6]
- Green Forest
- Mountain Pear
- Silent Hill
- Thousand Ants
【解説】
表中の singing(歌唱力)の項目で最高点をもらっているのは Mountain Pear なので 2 が正しい。
【語句】
・based on O「Oに基づいて」
・sing – sang – sung (不規則変化動詞)
問2 肯定的なコメントと批判的なコメントの両方を出しているのはどの審査員か。[7]
- Mr Hobbs
- Ms Leigh
- Ms Wells
- 誰もあてはまらない。
【解説】
審査員の個別コメントを読むと、Ms Leigh は Mountain Pear と Green Forest について良い面と悪い面の両方を指摘しているため、2 が正しい。他の2人の審査員は称賛はしているものの批判はしていない。
【語句】
・positive「肯定的な/前向きな」
・critical「批判的な/危機的な」
問3 審査員の個別コメントにおける1つの事実は[8]ということ。
- 審査員全員が Green Forest の歌を褒めた
- Green Forest はもっと練習が必要だ
- Mountain Pear は歌が非常にうまい
- Silent Hill は将来有望だ
【解説】
「事実」を求められているので、個人の主観的な意見・憶測・感想などは除外すること。審査員の個別コメントを読むと、全員が Green Forest の歌を褒めていることがわかるので 1 が正しい。
2 は Ms Leigh の主観的見解である。3 は Mr Hobbs と Ms Leigh の主観的見解である。4 はMs Leigh の主観的見解である。
【語句】
・praise O「Oを褒める」
・promising「将来有望な」
問4 審査員のコメント及び共通評価における1つの意見は[9]ということ。
- 評価された各バンドは同じ合計スコアを獲得した
- Ms Wells の独創性についての提案には意見が一致した
- Silent Hill は観客たちと気持ちが通じ合っていた
- 審査員のコメントがランキングを決定づけた
【解説】
先ほどとは逆に「意見」を求められているので、客観的事実は除外する。Silent Hill が観客と一体になっていたというのは Mr Hobbs の主観的な見解なので 3 が正しい。1、2、4 は純粋な事実である。
【語句】
・evaluate O「Oを評価する」
・suggestion「提案/暗示」
・connect with O「Oと気持ちが通じ合う」
問5 審査員の共通評価に基づく最終ランキングは次のうちどれか。
第1位 | 第2位 | 第3位 | |
1. | Green Forest | Mountain Pear | Silent Hill |
2. | Green Forest | Silent Hill | Mountain Pear |
3. | Mountain Pear | Green Forest | Silent Hill |
4. | Mountain Pear | Silent Hill | Green Forest |
5. | Silent Hill | Green Forest | Mountain Pear |
6. | Silent Hill | Mountain Pear | Green Forest |
【解説】
審査員の共通評価を読むと、演出力の高さが一番重要だとされているので第1位は Silent Hill。次に、歌唱力よりも独創性のほうが重要であるとの考え方より第2位は Green Forest となるので 5 が正しい。
【語句】
・following「後に続くもの」
第2問B
正解・配点
問1:4(2点)
問2:4(2点)
問3:2(2点)
問4:2(2点)
問5:1(2点)
和訳・解説
本文
あなたが交換留学生として通っている英国の学校で、学校方針が変更されるという話を耳にしました。あなたは今、オンラインフォーラムにある方針についての議論を読もうとしているところです。
新しい学校方針<2020年9月21日投稿>
To: P. E. Berger
From: K. Roberts
Dr Berger 様
生徒を代表しまして、セントマークス学校へようこそおいでくださいました。貴方はビジネスの経歴を持ちながら校長となる初めての人物であると伺っておりますので、貴方のご経験が当校の発展に寄与することを願っております。
放課後活動のスケジュールについて貴方がご提案されています変更点に関しまして、一つの懸案事項をお伝えしたいと存じます。たしかにエネルギーの節約は重要なことであり、もうじき日が落ちるのが早くなり始めます。このことがスケジュールを1時間半短縮させることにした理由でしょうか。セントマークス学校の生徒は勉強と放課後活動いずれもとても真剣に取り組んでいます。これまでのように、午後6時まで学校に残りたいと私に伝えに来てくれた生徒は1人や2人ではありません。従いまして、今回の突然の方針転換についてご再考をお願いしたいと考えております。
敬具
Ken Roberts
生徒代表
Re: 新しい学校方針<2020年9月22日投稿>
To: K. Roberts
From: P. E. Berger
Ken 様
親切なご意見に感謝申し上げます。重要な懸念事項、特にエネルギーコストと、学校での活動に関する生徒の意見について表明してくれましたね。
新しい学校方針は、実はエネルギーの節約とは無関係なのです。今回の決定は、2019年の警察報告書に基づいています。この報告書では、私たちの住むこの街は重大犯罪が5%増加したことによって安全性が低下したことが示されているのです。私は生徒を守りたいと思い、暗くなる前に帰宅してほしいと考えたのです。
早々
P. E. Berger
校長
【解説】
2015年のセンター試験第5問の形式に近い問題。シンプルで読みやすいため、正答率は高いのではないかと思われる。本文の読解に関しては最低限の語彙力さえあれば問題ないだろう。
【語句】
・school policy「学校方針」
・exchange student「交換留学生」
・discussion「討論/議論」
・forum「公開討論会(の場)」
・post「投稿(する)」
・on behalf of O「Oを代表して」
・background「背景/経歴」
・experience「経験」
・express O「Oを表明する」
・concern「不安/懸念」
・propose O「Oを提案する」
・activity「活動」
・realise (that) SV「SVということに気付く」
※アメリカ英語では realize とつづる。
・save O「Oを救う/Oを節約する」
・take O seriously「Oを真剣に捉える」
・a number of Os「多くのO」= many Os
※the number of O「Oの数」との混同注意。
・think again「再考する/考え直す」
・sudden「突然の」
・regards「(手紙の末尾で)敬具」
・especially「特に」
・have nothing to do with O「Oと無関係である」
・decision「決定」
・due to O「Oのせいで/Oの理由で」
・increase「増加」
・serious crime「重大犯罪」
・protect O「Oを守る」
【文法】
・at the school in the UK where you are now studying
⇒ この where は the UKではなく the school にかかる関係副詞。
・Is this why you have made
⇒ this is why SV「これがSVの理由だ」を疑問文にした形。
・you have made the schedule an hour and a half shorter
⇒ make O C「OをCにする」の形。
・as they have always done
⇒ この done は直前に出た動詞の繰り返しを避ける役目を果たしている(代動詞)。ここでは、直前の stay at school until 6 p.m. の代わりとなっている。
・ask you to think again
⇒ ask O toV「OにVするよう頼む」なので、「あなたに考え直すよう頼む」と訳すことができる。
・I would like them to return home
⇒ would like O toV「OにVしてほしいと思う」=want O toV
設問・選択肢
問1 Ken は、新しい方針は[11]と思っている。
- 生徒たちにもっと勉強させることができる
- 学校の安全性を改善するかもしれない
- ただちに導入すべきだ
- 放課後の活動時間を減らす
【解説】
Ken の投稿文は2段落構成だが、1段落目は単なる挨拶なので軽く流してかまわない。2段落目で「なぜ放課後の活動時間を短縮したのか」と尋ねており、最終文で「考え直してほしい」と書いているので 4 が正しい。
【語句】
・improve O「Oを改善する/Oを向上させる」
・introduce O「Oを導入する」
・immediately「ただちに/即座に」
・reduce O「Oを減らす」
【文法】
・make students study more
⇒ make O V「OにVさせる」の形。ここでの make は使役動詞と呼ばれる。
問2 Ken のフォーラムへの投稿に記されている事実は[12]ということ。
- 方針に関するより多くの議論が必要とされている
- 校長の経験が学校を改善しつつある
- 学校は生徒の活動について考えるべきだ
- 新しい方針を歓迎しない生徒がいる
【解説】
「事実」を求められていることに注意。Ken の投稿にあるのは「これまで通りのほうがよい」と考える生徒が少なからずいるということなので 4 が正しい。1、2、3 が事実であるという記述はない。
【語句】
・state O「Oを述べる/Oを記述する」
【文法】
・One fact stated in Ken’s forum post
⇒ この stated は過去分詞であり、直前の fact を修飾している(後置修飾)。
・students who do not welcome
⇒ 関係代名詞 who が先行詞に複数形の students を取ることで、who 自身も複数扱いを受けている(後ろにあるのが does でなく do である)ことを確認すること。先行詞の候補が複数ある場合に、単数・複数の違いが目印になることがある。
問3 方針の狙いが電力の節約であると考えているのは誰か。[13]
- Dr Berger
- Ken
- 市
- 警察
【解説】
Ken の投稿の中で「たしかに電力の節約は大事だが…」と書かれており、Mr Berger の投稿の中では「電力の節約とは無関係だ」と書かれているため、2 が正しい。
【語句】
・aim「狙い/目的」
【文法】
・Who thinks ~
⇒ この who は関係代名詞ではなく疑問詞である。疑問詞の who は常に三人称単数扱いなので thinks となっている。
問4 Dr Berger は、新しい方針を[14]という事実に基づかせようとしている。
- 早く家に帰ることは大事なことだ
- 市の安全性が減少している
- 学校は電力を節約しなければならない
- 生徒たちは保護が必要である
【解説】
Dr Berger の投稿には、「警察資料が市の安全性の減少を示した」とあるので 2 が正しい。1、3、4 が事実であるという記述はない。
【語句】
・base A on B「AをBに基づかせる」
・decrease「減少する」
・electricity「電気」
・protection「保護」
問5 Ken が新しい方針に反対するのを助けるとしたら、何を調査するか。[15]
- 犯罪率と地元区域の関連
- 学校のエネルギー予算と電気代
- 学校の活動時間の長さに対する予算
- 放課後活動をしている生徒の勉強時間
【解説】
Dr Berger の新方針の根拠は市の犯罪率が高まったことなので、これに関連のある 1 が正しい。
【語句】
・oppose O「Oに反対の立場をとる」
・relation to O「Oとの関係(性)」
・budget「予算」
・length「長さ」
・versus O「Oに対する/Oに対して」
【文法】
・help Ken oppose the new policy
⇒ help O (to)V「OがVするのを助ける」ここでの形のように、toV ではなく V(原形不定詞)が来ると読み取れない人が多いので注意。
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