The desire for peace
「平和への切望」
前置詞+名詞の塊による後置修飾です。前々回で説明していますので参照してください。
desireには動詞の用法もありますが、直前にtheがあるので間違えることはないでしょう。
common to ~
「~に共通の」
commonは前置詞toと組み合わせて使われることを覚えておきましょう。
human beings
「人類」
human は形容詞で「人間的な」、being は名詞で「存在」という意味を持つので、直訳すると「人間的な存在」となります。
though
「(副)だが、しかし」
though は接続詞としてもよく用いられますが、単独で副詞にもなります。この場合は副詞の however「しかし」と同じ用法になります。
今回もそうですが、特に注意したいのは文中でコンマにはさまれた用法 (これは though と however に共通)です。これを和訳をする際は、そのままの位置ではなく文の先頭に移動させる必要があります。
ちなみに、コンマで語句をはさむ用法を挿入と言います(主に副詞です)。挿入は補足説明なので、文から取り除いても文構造は崩れません。文が長くて意味が取りにくいときは無視したほうが読みやすくなることがあります。
History has shown, though, that SV
「歴史はSVということを示してきた」
この though は挿入であり、和訳するときは文頭に置きます。そうすることで shown と that のつながりを見つけやすくなります。
lasting peace is difficult to achieve
「永続的な平和を成し遂げることは難しい」
不定詞の重要構文で、難易構文(またはタフ構文)と呼ばるものです。
難易構文は一般的に仮主語構文に置き換えることが可能で、この文も下のように表すことができます。
Lasting peace is difficult to achieve.
= It is difficult to achieve lasting peace.
上の例で分かる通り、lasting peace は achieve の目的語なのですが、これが主語の位置に来ているのが難易構文の特徴です。
要するに、難易構文とは、仮主語構文中の不定詞の目的語が主語になり、仮主語のitが消えたもの、と定義することができます。
ただし、難易構文という名称の通り、基本的には easy や difficult, hard, tough, impossible といった難易度を意味する形容詞がないとこの形はとれません(ただし例外的に dangerous や expensive などが使われることもあります)。
同じ仮主語構文でも、It is important read books. という文を Books are important to read. にはできないということです。注意しましょう。
because of ~
「~の理由で、~が原因で」
because of はセットで1つの前置詞であり、接続詞の because とは使い方が異なります。接続詞であれば後にSVが続きますが、前置詞は後に名詞しかとれませんので使い分けに注意して下さい。意味はどちらも同じで、理由や原因を表します。
between people and countries
「人々や国々の間で」
これを「人々と国々の間で」と訳しませんでしたか?残念ながらそれはよくある間違いです。なぜでしょうか。
between you and me「あなたと私の間で」は問題ありませんね。ではこれはどうでしょう?
between you
「あなたの間??」と訳すのではマズいのです。betweeen の後には必ず複数を意味する名詞が来ます。
そう、これは「あなたたちの間」という意味なんですね。
between A and B「AとBの間」という形で習う人もいるかと思いますが、2つほど注意しなければならないことがあります。
1つはbetween As「Aたちの間で」のように、複数形が来ることもあるということです。
もう1つは、AとBが基本的に対等関係にあるということです。
今回の形は between people and countries でした。
people も countries も複数形です。
また、人と国は規模や性質など、いろいろな面で対等とは言い難いですね。
以上から分かるのは、この and は A and B ではなく、between people and between countries のように捉えなければならないということなのです。
日本語的には、「人間同士および国同士で」という意味で捉えることができればOKです。
コメント