易しい英語のバラードその2!
普遍的な歌詞は時代を超えて生き続ける、そんな気がする優しい曲です。
ちなみに日本語タイトルは『恋を抱きしめよう』です。
We Can Work It Out (by The Beatles)
作詞・作曲:Lennon-McCartney
歌詞・対訳
こちらをご参照ください。
Pick Up! #1 (0:00~)
Try to see it my way
僕の身にもなってくれ
※対訳:管理人
Try to see it my way
最後のmy wayは前置詞inが省略されているとみなして副詞句扱いです。
(in) one’s way
~のやり方で
ところで、以前に私が実際に受けたこんな質問があります。
to seeの部分をseeingに置き換えても意味は通りますか?
さて、何と答えますか?
とりあえず答えは置いておいて、基本的な説明から始めていきましょう。
tryは目的語にtoV(不定詞)もVing(動名詞)も取ることができますが、意味が異なります。このことは大学入試でもしばしば問われます。
次の2つを比較しましょう。
try toV「Vしようとする」
try Ving「試しにVしてみる」
違いは分かりますか?和訳だけでは分かりにくいですね。もう少し長めの文で比較しましょう。
I tried to drive the car, but I couldn’t find the key.
「車を運転しようとしたが鍵が見つからなかった。」
I tried driving the car, and I found it easy to drive.
「試しにその車を運転してみたら、運転しやすいことが分かった。」
try toVは、その行動を実行できない(できなかった)ことを示します。上の例文では鍵がないため車の運転という行動ができなかったことがわかります。
try Vingは、その行動を実行する(した)ことを示します。上の例文では実際に運転した結果運転しやすいことがわかったと言っています。
この違いのために、基本的に不定詞と動名詞を入れ替えて使うことはできません。
上の文をtried drivingにしてしまうと、『実際に運転してみたのに鍵がなかった(?)』となりますし、下の文でtried to driveにしてしまうと、『実際には運転しなかったのに運転しやすいことが分かった(?)』となってしまいます。
さて、この違いは命令文だとどうなるでしょう。
Try to talk in English.
「英語で話してみなよ。」
Try talking in English.
「英語で話してみなよ。」
和訳は全く同じです。困りますね…。
命令文でtry toVを使う場合、相手はその行動を起こすのが難しいという前提であり、『ダメでもともとだけど、とにかく行動を起こしてみて』というニュアンスになります。
学校などで、ネイティブの先生が日本人の生徒に対して使う場面を想像するといいかもしれませんね。
Please don’t be too shy and try to talk to me in English.
「どうか恥ずかしがらずに英語で私に話しかけてみてくださいね。」
話すのが上手いかどうかではなく、『話す』という行動を起こしてほしい、といったニュアンスですね。
これに対して、命令文でtry Vingを使う場合は、相手がその行動を起こすこと自体は難しくない前提です。
たとえば、自分のリスニング力をチェックしたくて、英語がペラペラの帰国子女の友達に英語を言ってもらいたい時なんかに使いましょう(ちょっと場面が限定的ですが…)。
Try talking to me in English. I want to test my listening skill.
「英語で話してみてよ。リスニング力を試したいから。」
という具合ですね。
以上より、冒頭の質問に答えてみます(try answering)。
英語としては正しいけど、それぞれの使う場面が間違っていたら意味は通らないよ。
Try to see it my wayは「僕のやり方で物事を見るようにしてみて(君には難しいかもしれないけど)」という意味で、( )の中が大事なんだ。
これをTry seeing it my wayというと( )が消えてしまい、言葉の重みも消えてしまう。まるでバードウォッチングでもしているときに、「僕のとこから見てみな(そうしたら見えるよ)」と言っているくらい軽い感じになってしまう。
Pick Up! #2 (0:28~)
We can work it out and get it straight
Or say good night
二人なら乗り越えられるし 解決できるんだよ
それとも諦めて寝てしまうのかい
※対訳:管理人
We can work it out
まず曲名でもあるこの部分から。
work O out (熟語)
「O(問題など)を解決する」
to think carefully about how you are going to do something and plan a good way of doing it
「ある行動をどのような方法でするかを慎重に考え、良い方法を練ること」to think about something and manage to understand it
「ある困難なことについて考え、それをどうにか理解すること」
work outは目的語の位置にも注意です。
目的語が普通名詞であればwork out Oでもwork O outでもどちらでも大丈夫ですが、1語の代名詞(it、them、thisなど)はwork O outの形しか取れません。
ですのでwork it outはOKですが、work out itはダメです。
and get it straight
重要表現を覚えましょう。
get O straight (熟語)
「Oを明確にする」
to understand the facts of a situation and be able to tell them correctly
「ある状況に関する事実をすべて理解し、正確に分かるようになること」
これはget OC「OをCにする」という第5文型です。このときのgetは「手に入れる」の意味ではないので注意しましょう。
ちなみに少し前に出るget it wrong「誤解する」も同種の表現です。
Or say good night
細かいですが、ちょっとした注意点を。
文のつながりを確認するとこのようになります。
We can work … and get … or say good night.
つまり、We can say good nightというつながりが確認できます。
※先頭が大文字でも、歌詞の場合は常に文の先頭とは限りません。
決して「あるいはおやすみと言え」という命令文ではありません。
We canを補って直訳すると「あるいは(私たちは)おやすみと言う(こともできる)」となります。
一種の譲歩ですね。
『話し合わずに寝てしまうこともできるけどね。』と読み、ああ普段の生活ではそうなっているんだな、と想像するべきところです。
※このように改行箇所の和訳が難しいのは歌詞特有ですね。ピリオドがないのが普通で、かつ改行すると先頭が大文字になっている歌詞の場合、前後とのつながりがあるのかないのかをじっくりと考えて判断しないといけなくて難しいです。
重要語句
keep (on) Ving (熟語)
to continue doing something or to do the same thing many times
「あることをし続けること、または何度も同じことをすること」
go on (Ving) (熟語)
to continue doing something or being in a situation
「あることをし続けること、またはある状況にとどまり続けること」
run the risk (of ~) (熟語)
to be in a situation where there is a possibility that something bad could happen to you
「あなたにとって何か悪いことが起こる可能性のある状況にいること」
be gone (熟語)
to be no longer in a particular place
「ある特定の場所にはもう(い)ないということ」to be dead or to no longer exist
「死んでいる、またはもはや存在していないということ」
fuss (動)
to worry a lot about things that may not be very important
「あまり重要でないかもしれないことをとても心配すること」to pay too much attention to small unimportant details
「重要でない些末なことに過度に注意を払うこと」
※fussは名詞では「大騒ぎ」の意味だが、動詞ではだいぶ意味が異なる。
it’s a crime (定型表現)
spoken said when you think something is very wrong, and someone should not do it
「(話し言葉)あることが大きな誤りであり、それをすべきではないと思われるときに使われる」
※普通crimeと言えば「犯罪」なので、この用法は知らないと分からない。
fall apart (熟語)
if something falls apart, it fails completely
「もし何かがfall apartしたら、それは完全に失敗する」
before long (熟語)
soon or in a short time
「すぐに、または短時間で」
収録作品
THE BEATLES PAST MASTERS・VOLUME TWO (1988年3月7日)
THE BEATLES 1 (2000年10月25日)
THE BEATLES PAST MASTERS (2009年9月9日)
TEH BEATLES 1962~1966 (2010年10月18日)
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