英検2級に合格するには欠かせない過去問演習ですが、本屋さんを見るといろいろな種類があって、どれがいいのかわからないという人も多いと思います。
さっそくですが、圧倒的おすすめはこれです。
理由はこれから説明していきますが、時間がない人は、絶対に損はないので今すぐ購入してしまいましょう。
まだ悩む時間のある人は、この記事内容を精読していただき、自分にとって最高の1冊をじっくりと選んでください。
では、比較検討を始めていきましょう。
英検2級過去問題集レビュー
※2019年12月末時点での最新版に実際に目を通して比較しています。
【2019年度】英検2級 過去問題集 新試験対応版[学研]
基本データ
- 発売日日:2019年2月19日
- 販売価格:1,650円(税別)
- 掲載年度:2017-1~2018-2(5回分)
- 音声CD:3枚付
- その他1:無料アプリ「りすアプ」対応
- その他2:オリジナル模試1題付
- その他3:独自のライティング解答例付
- その他4:独自の面接解答例付
ちょっとした解説
すでに冒頭でお伝えした通り、圧倒的おすすめの1冊です。何がそんなに良いのかというと、ライティングの解答例がオリジナルだということ、しかも毎回2種類用意されていることです。
自由英作文対策(英検ライティング対策)を始めるなら今すぐすべきことはこの3つ!【保存版】の記事でも推奨していますが、英作文は解答例を集めて読むことがとても大切です。
また、【英検2級】ライティングの正しい書き方まとめ【保存版】でも説明しているように、同じ意味であっても、複数の表現方法を知ることで、要求された語数にピタリと合わせて書くことができるようになります。
一つのテーマに対して様々な解答例を読むことで、たとえ同じような主張であっても異なる書き方が存在することを知り、表現力の幅を広げるのに大いに役立つのです。
他の出版社の解答例全てに目を通しましたが、この学研の過去問集以外すべての解答例が英検公式サイトで無料公開されているものと同一のものでした。
つまり、他の過去問集は、公式に発表された解答例に和訳をつけて、英作文の書き方や論理の流れなどをさも自分の答案であるかのように説明しているにすぎないのです(後述の理由から旺文社はこれに該当しません)。
収録回数こそ5回分と他社より1回分少ないものの、その代わりのオリジナル模試「合格力チェックテスト」は予想問題のような位置付けになっているためむしろお得かもしれません。
以上がこの過去問集をおすすめする理由です。和訳や解説の質はどこも甲乙つけがたく、決め手にはなりえませんので、ライティング力アップが見込めるこの1冊をダントツおすすめとさせていただきます(英検公式サイトの過去問も必ず入手しておきましょう)。
※おことわり:筆者は決して学研の回し者ではありません。ただのしがない予備校講師です。
【2019年度版】英検2級 過去6回 全問題集[旺文社]
基本データ
- 発売日日:2019年2月25日
- 販売価格:1,600円(税別)
- 掲載年度:2016-3~2018-2(6回分)
- 音声CD:別売
- その他1:音声データダウンロード可
- その他2:無料アプリ「英語の友」対応
- その他3:カラー面接カード付
- その他4:Web特典「自動採点サービス」付
ちょっとした解説
英検の過去問といえばこの全問題集。そういうイメージの人が多いかもしれません。何と言っても旺文社は英検の生みの親ですから※、英検に関する最も質の高い情報源であることは否定できません。たとえば、2次試験で使用される面接カードが実際のカラーイラストで付いているのは旺文社だけです。
※気になる人はWikipediaで旺文社を検索してみてください。
ライティングの解答例は、それゆえ英検公式サイトで公表されているものと同一です。もし公式サイトの解答例を保存しそこなった人は全問題集で確認するようにするといいでしょう。
ちなみに、別売CD版を購入しなくても無料音声アプリの利用や音声ダウンロードが可能になったため、それらが利用できる環境にあればCD版を購入する必要はありません(CDでしか音声を聞くことのできない環境にいる人のために別売CDの販売は続けられています)。
【2019-2020年対応】直前対策 英検2級 3回過去問集[旺文社]
基本データ
- 発売日日:2019年9月10日
- 販売価格:1,400円(税別)
- 掲載年度:2018-2~2019-1(3回分)
- 音声CD:2枚付
- その他1:音声データダウンロード可
- その他2:無料アプリ「英語の友」対応
- その他3:カラー面接カード付
- その他4:Web特典「自動採点サービス」付
ちょっとした解説
「6回分も必要ない」という人のための過去問集。こちらはCD付きなのでこれ1冊で完結します。
6回分と値段がたったの200円しか変わらないので、新品を買うのは「もったいない」感が否めません。
とはいえ、どこよりも早く最新の問題の解答解説が入手できる点は見逃せません。表紙に謳われているように、受検直前の最後の仕上げにはピッタリです。
【’19年度版】英検2級 過去6回問題集[成美堂]
基本データ
- 発売日日:2019年2月12日
- 販売価格:1,700円(税別)
- 掲載年度:2016-3~2018-2(6回分)
- 音声CD:2枚付
- その他1:重要表現・イディオムまとめ付
- その他2:赤シート付
ちょっとした解説
旺文社の全問題集に音声がなく、別売CDを購入せざるをえなかった頃はコストパフォーマンスの良さから購入されていたといった印象の過去問集ですが、別売CDの購入が必須ではなくなった今日にあっては、全問題集よりも価格が若干高いこちらを選ぶ理由が見出せません。あくまで個人的な意見ですが。
先にも書いた通り、和訳や解説の質はほぼ横並びであり、差がつくような部分ではありません。
英語の重要表現やイディオム集は利用価値は低くはないものの、一般的な英検2級受検生であれば専用の単語帳や参考書などを使って勉強をしているでしょうから、主として「仕上げ」の役割である過去問集にはおそらく必要ないでしょう。
【2019年度版】英検2級 過去問集[教学社]
基本データ
- 発売日日:2019年2月28日
- 販売価格:1,650円(税別)
- 掲載年度:2015-3~2018-2(9回分)
- 音声CD:なし
- その他1:音声専用サイト用QRコード付
ちょっとした解説
大学受験のお供「赤本」に英検版登場、といったところで、英検赤本シリーズと呼ばれています。装丁も同じなので、赤本に何か特別な思い入れがある人は(いるかわかりませんが)ぜひどうぞ。
過去問9回分で価格は他と大差ありませんので、問題1回分の値段としてはお得です。もちろんその分和訳や解説の質が落ちるということはないのですが、厚みがあるので使いづらさは否めません。コピーするか、1回分ごとにカッターなどで切り離してホチキスで止めるかして、使いやすくなるよう工夫したほうがよさそうです。
CDがないのでスマホやパソコンが利用できないと音声が聞けませんが、そういった人はあまりいないと思われますので特にデメリットではないでしょう。
赤本に思い入れがある人か、1冊で9回分という他に類を見ない大容量が気に入った人にはおすすめです。
英検2級過去問レビュー[河合塾]
基本データ
- 発売日日:2019年3月1日
- 販売価格:1,600円(税別)
- 掲載年度:2016-3~2018-2(6回分)
- 音声CD:2枚付
- その他1:オリジナルの問題レイアウト
ちょっとした解説
こちらは大学受験のお供「黒本」の英検版です。黒本といえばあの超分厚い「センター試験過去問レビュー」が有名ですが、こちらはまったく厚くなくスタンダードな6回分収録となっています。
特徴を強いて挙げるなら、問題のページがすべて実際の問題冊子の縮小版になっているという点です。文字は若干小さいですが、本番と完全に同一のレイアウトなので、問題の途中でページをめくる手間がなく、他の過去問集と比べて解きやすく感じられるかもしれません。
非常に地味なところではありますが、個人的には問題レイアウトは結構重要だと思っているので、気になる人は実際に本屋さんなどでページを見てみるといいと思います。
ところで、赤本も黒本も、大学受験メインの出版社がなぜ急に英検に手を出してきたかというと、民間英語試験が大学入試にほぼ必須になる予定だったからです。やはり、出版社も商売ですからね。売れるとなれば出しますよね。しかし、例の「身の丈発言」で延期になってしまいました。果たして2020年度版は出版されるのでしょうか?こっそり注目しておこうと思います。
まとめ
繰り返しますが、圧倒的おすすめはこれです。
英検の問題は、最新3回分は公式サイトで入手できます。たとえ今すぐに受検をしない人も、毎回公開される問題と解答例をパソコンなどに保存しておけば後々必ず役に立ちますので、まだ保存していない人は今すぐ保存してきましょう。
問題と解答さえ持っておけば、あとは必要な部分の和訳と解説さえあれば、わざわざお金を払って市販の過去問題集なんか買わなくても大丈夫・・・。
たしかに、ライティングが導入される前はそんなふうに考える人もそこそこいましたね。とにかく単語さえ覚えれば合格ラインは超えられるという対策法もなくはなかった時代がありました。
しかし、ライティングと同時に「英検CSEスコア」という合否判定方法が導入されたことで、このような手法はまったく通用しなくなりました。
英検CESスコアの方式では、リーディング・リスニング・ライティングの3つの技能の合計点で合否が判断されますが、各技能の配点は同じです(2級は各650点)。
そして、2級の場合650点×3技能=1950点満点となりますが、公表されている合格基準スコア(合格最低点)は1520点です。もしライティングが白紙だった場合は0点ですから、650×2=1300となり、合格することはできません。
まったく準備せずに受けた場合、ライティングで0点を取る確率は決して低くありません。時間切れでライティングまでたどり着かないのは論外としても、何を書けばいいか分からない、どうやって書けばいいか分からない、せっかく書いてもまったくの的外れな解答などなど。
こうしたライティングの重要性がわかっている人ほど、オリジナル解答例が2つも掲載されている学研の過去問集の価値を認めるはずです。
逆に言えば、「過去問集」を謳いながらオリジナルの解答例を載せることもせず、他人が書いた解答例に和訳や解説をつけるという恥知らずな出版社に対してNOを突きつけたい気持ちもなくはないのですが、そんなことはまったくどうでもいいのです。
今回の記事が参考になれば幸いです。
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