慶應義塾大学-経済学部の自由英作文について、最新2018年度の問題を分析し、対策を考えていきたいと思います。
問題はこちらを参照してください。
概評
大問 | 語数 | 難易度※1 | 傾向変化※2 |
---|---|---|---|
Ⅰ | 100語程度 | 標準的 | 大きめ |
Ⅱ | 40~50語 | 難しめ |
※1:当該学部の平均的受験生に対する難易度です。
※2:当該学部の昨年度対比での変化の有無と大きさです。
所感
傾向が大きく変わり、面食らった人が多かったのではないでしょうか。
2012~2017年度までは、英語の問いに対して約80~100語程度で答える設問が1題でした。
ところが今年度は、自由英作文の設問は2題あり、しかも両方とも読解問題の一部として出題されました(この形式は2003年度以来です)。
1題目([Ⅰ]-問6)は見た目こそ変わりましたが内容は標準的で難しくありませんでした。しかし、2題目([Ⅱ]-問1)はどう書いていいか戸惑った人も多かったと思います。
分析
Ⅰ-問6
『他人と過ごす時間についてどう感じるか(100語程度)』というもので、本文の内容と関連付けられていました。本文を読まなくても解答は可能かもしれませんが、本文を読むことで新たな視点を得られた人も多かったでしょう。本文をヒントとして役立てられた人はよく書けたのではないでしょうか。
Ⅱ-問1
本文は『日本人のユーモアのセンスを理解しよう』という欧米人向けの文章ですが、冒頭部分が削除されており、そこに入れるのに適切な英文を作るという形式です。語数は40~50語と長くはありませんが、これまでにない試みのため、きちんと書けた人は少なかったのではないかと思います。
対策
大学・学部を問わず基本的な自由英作文対策はこちらをお読みください。
上の記事を前提として、個別対策の話をします。
Ⅰ-問6
例年の出題傾向とそこまで変わらないため、例年通り自分の意見を論理的に主張する訓練をすることが対策となります。
また、読解融合問題は2012年以降の経済学部でも出題されていますので、過去問に取り組んでみるといいでしょう。
Ⅱ-問1
設問文の指示にもある通り、導入部としてふさわしい文章を書く必要があります。
複数の段落からなる英文を書く技術(パラグラフ・ライティング)の知識があると書きやすいでしょうが、そこまで手が回らない人も多いかもしれません。
もっと簡単かつ効果的なのは、普段の読解文を意識して読むことです。
一つの段落を読むたびに、その段落の要旨は何か、そしてそれを表す最も重要な一文はどれか、その一文に至るまでにどのような流れがあるか、といったことを考えながら読み、メモを取るようにすると良いでしょう。
こうすることで、いざ自分が書き手の立場になったとき、冒頭文の書き方のイメージがある程度できているはずです。
一朝一夕には身に付かないかもしれませんが、わざわざ同じ形式の問題をあちこち探しまわったり、特別な訓練をしないとできるようにならないといった思い込みは捨て、文を読むことと書くことは表裏一体であることを再認識することが何よりの対策です。
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