得点調整についての一般的な話はこちら↓です。
関西大学は得点調整を行うか
はい、行います。
学公式サイトの「各学部での合否判定方法」の項目の中に次の記載があります。
選択科目間の有利不利をなくすこと、各試験教科の配点ウェイトを試験結果に反映することなどを目的に、一般入学試験およびセンター利用入学試験の個別学力検査では、「中央値方式」「標準得点方式」による得点調整を行います。
得点調整を行う学部と入試の種類
学部 | 入試の種類 | 対象 | 計算方式 |
---|---|---|---|
法 文 経済 商 政策創造 外国語 人間健康 総合情報 社会安全 |
一般 センター利用 |
全科目 | 中央値 |
社会 | 一般(個別) 一般(全学部) |
選択科目 | 標準得点 |
一般(後期) | 全科目 | 中央値 | |
システム理工 環境都市工 化学生命工 |
一般(個別-理科1科目選択) 一般(後期-理科1科目) |
理科 | 中央値 |
センター中期(数/理重視) | 数学 理科 |
中央値 |
「中央値方式」とは
試験の成績順で中央に位置する人の得点を中央点とし、その得点が満点の半分になるように全体の得点を補正する方法です。
基本的な計算式は次の2種類です。素点(実際の得点)が中央点より高ければA、低ければBを使用します。
A.(素点-中央点)÷(満点-中央点)×満点の半分+満点の半分
B.満点の半分÷中央点×素点
※システム理工・環境都市工・化学生命工学部では、Aの式に変えて下記Cの式を使用します。
C.(素点-中央点)÷(素点の最高点-中央点)×満点の半分+満点の半分
中央点は大学が公表しない限りわからないため個人が正確な数値を出すことは不可能ですが、次の例でだいたいのイメージをつかんでおきましょう。
(例)100点満点の試験で60点を獲得した場合
素点 | 中央点 | 換算得点 | 素点との差 |
---|---|---|---|
60 | 30 | 71.429 | +11.429 |
40 | 66.667 | +06.667 | |
50 | 60.000 | ±0 | |
60 | 50.000 | -10.000 | |
70 | 42.857 | -17.143 | |
80 | 37.500 | -22.500 |
上の表を見ると、中央点が低い場合のプラス補正よりも、中央点が高い場合のマイナス補正の方がだいぶ大きいことがわかります。
これはつまり、公表されている合格最低点は素点からかなり減らされている可能性が高いということです。
受験生の間では、得点調整後の得点は「素点×0.85」と考えるという噂が広まっているようですが、あながち間違いではないかもしれません。
素点だと勘違いし、自分の得点が合格最低点を多少上回ったくらいで喜んでいると危険だということがわかりますね。
「標準得点方式」とは
標準偏差を用いて素点を補正する方法です。
関西大学では社会学部の一般入試(学部個別日程・全学部日程)でのみ採用しており、平均点が70点(100点満点)になるように調整されます。
※標準偏差がよくわからない人はこちらのサイトがお勧めです。
計算式は次の通りです。
(素点-平均点)÷標準偏差×10+70
中央点と同様に、平均点と標準偏差も大学が公表しない限りわかりませんが、例によってイメージをつかんでおくといいでしょう。
(例)100点満点中60点を獲得
●標準偏差が10の場合
素点 | 平均点 | 換算得点 | 素点との差 |
---|---|---|---|
60 | 40 | 90 | +30 |
60 | 70 | +10 | |
80 | 50 | -10 |
●標準偏差が20の場合
素点 | 平均点 | 換算得点 | 素点との差 |
---|---|---|---|
60 | 40 | 80 | +20 |
60 | 70 | +10 | |
80 | 60 | ±0 |
上の2つの表から、平均点が下がると換算得点が高くなり、標準偏差が小さいと素点との差が大きくなることがわかります。
また、上述の通り平均点が70点になるように調整するため、プラスの補正が強めに反映されます。これにより、合格最低点がやや高く見える場合がありますので留意しておくといいでしょう。
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