早稲田大学-法学部の自由英作文について、最新2018年度の問題を分析し、対策を考えていきたいと思います。
問題はこちらを参照してください。
概評
大問 | 語数 | 難易度※1 | 傾向変化※2 |
---|---|---|---|
Ⅵ | 各20~30語※3 | 標準的 | なし |
Ⅶ | 100語程度※4 | 易しめ | なし |
※2:当該学部の昨年度対比での変化の有無です。
※3:語数指定はなく、1文で書くようにとの指示から判断した目安です。
※4:指定はありませんが、解答用紙の大きさ等から判断しています。
所感
設問指示や目安語数等において、昨年度とほぼ同じ傾向でした。
違いといえば、第7問の設問文の文言が次のように変わったことくらいです。
2017年度:
Give specific reasons to support your opinion
2018年度:
giving at least two specific reasons
しかし、これについてはおそらく、昨年度の受験生が、「specific reasons」の部分を適当に読み流し、理由を1つしか書いていない答案が目立ったためだと思われます。
「reasons」と複数形になっていますから、理由は複数書かなければならないのですが、それを守っていなかった受験生が多かったのでしょう。
細かいことですが、昨年度の受験生の中で、この指示をきちんと守った人はそれだけで有利になったはずです。
英作文の採点は本当に骨の折れる作業です。全答案の中身を1枚1枚読んでいたらキリがないので、採点者はなるべく作業が楽になるよう、形式的に欠点のある答案をはじくところから始めるものです。
きっと、理由を複数書いていない答案をはじいていたら、ほとんどなかったのでしょう。だからわざわざ文言を変更して、より伝わりやすくしたのだと思います。
とにかく、設問指示は絶対厳守です。くれぐれも読み間違えないようにしましょう。
設問の難易度について。
第6問は標準的です。グラフ自体が表していることは単純明快ですが、1文でうまく書くためには多少の練習が必要です。慣れていない人は減点されやすいでしょう。
第7問は易しめと言えるでしょう。最近しばしば目にするテーマであり、練習として取り組んだことのある人は多かったのではないでしょうか。
分析
第6問
紙の本と電子書籍の比較ですね。
1文で書くよう指示されていますが、もちろん短くなり過ぎないように工夫が必要です。語数の目安として、1文としては長めの20~30語程度書けるといいでしょう。
1題目は、本の貸し借り(あるいは回し読み)の割合について説明します。
「本の貸し借りは、紙の本は69%であり、電子書籍の25%と比べて2倍以上多く行われている。」などと言えます。
2題目は、ベッドでの読書の割合について説明します。
「ベッドでの読書は、電子書籍は45%であり、紙の本の43%と比べてわずかに上回っている」などと言えます。
第7問
テーマは『紙の本と電子書籍のどちらを好むか』です。これは近年よく取り上げられる話題ですので、答案として書いたことのある人もいたと思います。
ただし、1段落で、2つ以上具体的な理由を入れて書くよう指示されていますので、これが守られていなければ減点です。
それぞれの主張の理由としてよくあるのは、
紙派:
・値段が安い。
・メモを書いたり付箋を貼ったりできる。
・一度に多くの情報を見ることができる。
・電池がいらない。
電子派:
・軽くて持ち運びやすい。
・目的の単語をすぐに引ける。
・音声が聞ける。
・辞書が複数入っていて定義を比較できる。
といったところでしょうか。
他にもあるでしょうが、100語程度ならこの辺りで十分でしょう。時間に余裕を持てれば、特に難しい問題ではありません。
対策
大学・学部を問わず基本的な自由英作文対策はこちらをお読みください。
上記を前提とした上で、個別対策の話をします。
法学部の自由英作文は、初年度である2001年度から2016年度までは各年度1題ずつの出題でしたが、2017年度に傾向が大きく変化し、大問が2題に増え、3種類の英文を書かなければならなくなりました。
2018年度も同様の傾向が続き、第6問ではグラフに関する説明文を2つ書き、続く第7問では、第6問のグラフに関連のあるテーマについて、自分の意見を述べるというものでした。
今後この傾向が続くかどうかはわかりませんが、グラフの説明文を書く練習はしておくべきでしょう。
早稲田大学の過去問にはあまり素材がありませんが、広島大学では2012年から毎年出題されているので、解いてみるといいでしょう。
第7問は自分の意見を論理的に主張する訓練を重ねることが大切です。
第6問のグラフとの関連性はあるものの、これは2015年以前とほぼ同じ傾向と言えるため、過去問が参考になるでしょう。
最後に、自由英作文以外の注意をしておきます。
法学部は読むべき英文量がとにかく多く、自由英作文を解くのに十分な時間を残せない人が多いという特徴があります。
そうなると、せっかくの自由英作文対策も意味を成しません。
自由英作文にたどり着くためにも、日々速読力を鍛えましょう。
次によく読まれている記事
ここ1週間の間、この記事を読んだ人が次によく読んでいる上位記事はこちらです。
コメント