登場人物紹介を英語で読もう(5)
前回はこちら↓
もうドラえもん、のび太、しずかちゃん、スネ夫までは英語で説明できるようになってしまいましたね。
最後はこの人です(でも実はまだ続きます)。
Gian[Takeshi Goda](ジャイアン[剛田武])
Gian is a bullying tough guy.
He loves to sing and wants to become a singer, but he is tone deaf and his voice is so awful that it drives people away.
英文詳細解説
Gian is a bullying tough guy.
【直訳】
ジャイアンはいじめをする乱暴なやつだ。
【解説】
まずは単語から。
bully (動詞)
「いじめる」
to threaten to hurt someone or frighten them, especially someone smaller or weaker
「特に自分より小さい、または弱い相手に対して、痛い思いをさせると脅したり、怖がらせること」
tough (形容詞)
「乱暴な」
9. VIOLENT PERSON
likely to behave violently and having no gentle qualities
「粗暴な振る舞いをし、優しさを持ち合わせていないかのような」
guy (名詞)
「(くだけて)男、やつ」
※複数形で用いると、男女関係なく「人々」の意味にもなる。多くの人への呼びかけで使われる。
続いて文法です。
bullyがing形になっていますね。
これは現在分詞です。
現在分詞の主な役割は、進行形の一部と形容詞的用法の2つです。
それぞれ例文を見ましょう。
進行形の一部
He is singing a song in the lot.
「彼は空き地で歌を歌っています。」
※lot「空き地」
これは簡単ですね。
[be動詞+現在分詞」で進行形になります。
※be動詞の時制によって現在進行形、過去進行形、未来進行形となる。
形容詞的用法
waiting people「待っている人々」
melting ice「溶けている氷」
burning fire「燃えている火」
※melt「解ける」、burn「燃える」
[現在分詞+名詞]の場合、現在分詞は形容詞と同じように名詞を修飾します。
今回の文の”a bullying tough guy”のbullyingも、後ろにある名詞guyを修飾しているのです。
He loves to sing and wants to become a singer,
【直訳】
彼は歌うことが大好きで歌手になりたいと思っている
【解説】
2つの不定詞を確認しましょう。
love toV
「Vすることが大好きだ」
want toV
「Vしたい(と思っている)」
どちらも名詞的用法ですね。Vすることと読むのが基本です。
※上の訳ではwant toVのtoVがVすることになっていませんが、want「欲しい」の意味にあわせて「Vすることを欲する」と読めば、Vすることが出てきます。
ちなみに、loveはtoVの代わりにVing(動名詞)でもほとんど意味は変わりませんが、wantの場合はまったく違う意味になってしまうので注意しましょう。
want Ving
「Vされる必要がある」
want doing (=need to be done)
例:
The carpet really wants cleaning.
「そのカーペットは絶対に洗う必要がある」
but he is tone deaf
【直訳】
しかし彼は音痴だ
【解説】
tone deafを覚えましょう。
tone deaf (形容詞)
「音痴な」
※発音注意。deafは[def](デフ)と読む。
※間にハイフンを入れてtone-deafとつづる方が普通。
unable to hear the difference between different musical notes
「別々の音符の違いを聞き分けられない」
and his voice is so awful that it drives people away.
【直訳】
そして彼の声はとてもひどいのでそれは人々を追い払う。
【解説】
まずは単語と熟語を。
awful (形容詞)
「ひどい、悪い、とても不快な」
同意語:terrible
drive away (熟語)
「追い払う」
※目的語の位置は、drive O awayのように間にはさむか、またはdrive away Oのように後に置くかの2種類のパターンが可能。
※ただし、目的語が代名詞1語(him、herなど)の場合は後に置く形はとれないことに注意。
※×drive away him
※○drive him away
to behave in a way that makes someone leave
「人を無理やり立ち去らせるように振る舞うこと」
続いて文法です。
接続詞thatの重要表現so ~ that構文が登場しています。
例文を見ましょう。
It rained so hard that the streets flooded.
「雨がとても激しく降ったので、道が冠水した」
※flood「水浸しになる、冠水する」
so ~ that構文は、基本的にso=とても、that=なのでと読めば訳すことができます。
これをジャイアンの紹介文に当てはめると、
his voice is so awful that it drives people away
「彼の声はとてもひどいので、それは人々を追い払う」
このように、最初に見た直訳とまったく同じになります。
ここまでは中学生の学習内容ですので、もう少し話を進めます。
次の文を読んでみましょう。
This problem is not so easy that Nobita can solve it.
※solve「(問題などを)解く」
どうでしょう?
「この問題はあまり簡単ではないので、のび太はそれを解くことができる。」
と読んだら、なんだかおかしいですよね。
でも、英語としては正しい文なんです。
not so ~ thatの文は、中学生で習うso=とても、that=なのででは読めないんです。
高校レベルの、本来の読み方を押さえましょう。
so ~ that SV
「SVなほど~」
理由は置いておいて、とりあえずジャイアンの紹介文にあてはめてみましょう。
his voice is so awful that it drives people away
「彼の声は人々を追い払うほどひどい」
もう少し説明すると、so ~ thatのsoは指示副詞と呼ばれ、「それほど~」の意味を持ちます。そして、「それ」が指すのは後のthat SV部分です。
つまり、こういうことです。
his voice is so awful
「彼の声はそれほどひどい」
ここまで読んで、それほどってどれほどだ?と思いながらthat以下を読むと、
that it drives people away
「それが人々を追い払う」
なるほど、聞いている人を追い払うほどか~。
このように読めればso ~ that構文の英語的な感覚を完全に理解したと言っていいでしょう。
ところで、中学生で習う「とても~なので」は間違いなのかというと、間違いではありません。
文法的には、「とても~なので」は結果、「SVなほど~」は程度、と分類されます。
2つの訳を比較してみましょう。
It rained so hard that the streets flooded.
「雨がとても激しく降ったので、道が冠水した。」(結果)
「道が冠水するほど雨が激しく降った。」(程度)
結果の訳は「雨が激しく降ってどうなったか?」ということに重点を置いています。
それに対し、程度の訳は「雨がどのくらい激しく降ったのか?」ということに重点を置いています。
どちらも正しい訳ですが、前後の文脈によって訳し分ける必要があると言えます。
さて、もう一度先ほど読めなかった文に挑戦しましょう。自力で読んでから和訳を見るようにしてください。
This problem is not so easy that Nobita can solve it.
so ~ itまでをひと固まりで読み(のび太が解くことができるほど簡単)、最後にnot(ということはない)で否定する、というのが読み方のコツですね。
ここまで来れば、もうso ~ that構文で分からないことは何もないはずです。
お疲れさまでした。
まとめと復習
この記事に出てきた知識のまとめと復習です。
説明を思い出しながらクリックしましょう。
単語・熟語
文法事項
今回の記事は以上です。
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