大学入試における英語成績提供システムに参加しているケンブリッジ英語検定について説明します。
まずはレベルチェックテスト
ケンブリッジ英検の公式サイトにレベルチェックテストが用意されています。最初にこれについてご説明します。
レベルチェックテストについて
レベルチェックテストには中高生対象英語テストと一般英語テストの2種類があります。どちらのテストも形式は同じで、短文を読んで4択から正解を1つ選びます。全25問です。
制限時間
ありません。1つ1つの問題は短いので急げば5分くらいで終わると思いますが、しっかり考えて自分の実力を反映させた方が有意義です。
出題範囲・難易度
中高生向け・一般向けのどちらも出題範囲はだいたい中学3年生レベルから始まり高校卒業レベル(一部大学レベル)までといったところです。おなじみの英検で言えば3級~2級(一部準1級)程度だと思います。
問題が進むにつれて難易度が上がっていきますが、それ以外に、一般向けの方が英語らしい表現が多く、やや難しいという印象を受ける人が多いです。時間のある人は両方解いてみて、それぞれの得点を比較するとより自分に合ったテストを見つけやすくなるでしょう。
テスト後は何があるの?
レベルチェックテスト終了後に推奨テストの一覧が表示されます(下に掲載)。この中で、大学入試に活用できるテストは太字で表しています。
参照:参考資料(文部科学省)
レベルチェックテスト後に出る推奨テスト一覧
レベルチェックテストを終えると、次のような一覧が表示されます。
自分の得点と照らし合わせて、自分に向いているテストが何であるかを確認しましょう。それぞれのテストの内容については次の項目で説明します。
中高生対象英語テスト後
得点 | 推奨テスト(Recommendation) |
---|---|
5~9 | Young Learners |
10~11 | Young Learners または Key for Schools |
12~15 | Key for Schools |
16~17 | Key for Schools または Preliminary for Schools |
18 | Preliminary for Schools |
19~20 | Preliminary for Schools または First for Schools |
21 | First for Schools |
22 | First for Schools または Advanced |
23 | Advanced |
24 | Advanced または Proficiency |
25 | Proficiency |
※便宜上、全ての試験名で「Cambridge English:」と略称の部分を省略しています。実際には「Cambridge English: Key (KET) for Schools」のように表記されています。
一般英語テスト後
得点 | 推奨テスト(Recommendation) |
---|---|
6~10 | Key |
11~12 | Key または Preliminary |
13~15 | Preliminary |
16~17 | Preliminary または First |
18~19 | First |
20~21 | First または Advanced |
22 | Advanced または Proficiency |
23~25 | Proficiency |
※便宜上、全ての試験名で「Cambridge English:」と略称の部分を省略しています。実際には「Cambridge English: Key (KET)」のように表記されています。
「for Schools」って何?
Key for Schoolsなどの「for Schools」が付いているテストは中高生の関心や経験に合わせて配慮された内容となっています。
これによる難易度等の違いはなく、認定証にも「for Schools」は記載されませんので、自分に合った方を選びましょう。
ケンブリッジ英検の種類と難易度は?
テストの種類と内容
テストの種類は前6種類Young Learners (YLE)、Key (KET)、Preliminary (PET)、First (FCE)、Advanced (CAE)、Proficiency (CPE)の全6種類です。
※かっこ内は各テストの略称です。また、Young Learnersはさらに3種類のテストに分かれますが、ここでは割愛します。
テストの詳しい内容やサンプル問題などについてはこちらのページを参照してください。
各テストの到達言語レベル
各テストの受験者が到達できる言語レベルの目安です。
テスト | 到達者の言語レベル |
---|---|
Key (KET) | ・基礎的なフレーズや表現を理解し、用いることができる。 ・簡単な英文を理解することができる。 ・自己紹介をし、自分に対する基礎的な質問に答えることができる。 ・基礎的なレベルで英語話者とコミュニケーションをとることができる。 |
Preliminary (PET) | ・簡単な英語の教科書や記事を読むことができる。 ・手紙やEメールで日常的な事柄について書くことができる。 ・事実に基づく情報を理解することができる。 ・意見や感情への理解や配慮を示す英語を話したり書いたりすることができる。 |
First (FCE) | ・意見や論拠を提示しながら、対面でのコミュニケーションを効果的にとることができる。 ・ニュースを追うことができる。 ・自分の意見を述べ、様々な視点から利点と欠点を説明して、明快で具体的な英文を書くことができる。 ・手紙や報告書、物語など、様々なタイプの文章を書くことができる。 |
Advanced (CAE) | ・大学レベルの学術的講義を理解することができる。 ・管理的もしくは専門的レベルのコミュニケーションを効果的にとることができる。 ・職場の会議や学術的講座などに自信を持って参加することができる。 ・非常に高いレベルの流暢さで話すことができる。 |
Proficiency (CPE) | ・大学院や博士課程など、最も難しいレベルの勉強をすることができる。 ・国際的なビジネスの場で最上級管理職レベルでの交渉や説得を行うことができる。 ・非常に複雑に記述された文書の要点を理解することができる。 ・複雑あるいは繊細な話題について話すことができ、難しい質問にも堂々と対処することができる。 |
※表の内容は英語ページの記述を和訳したものです。出典は各テストのリンク先(英語)をご覧ください。
各テストの難易度(英検と比較)
各テストの難易度については以下の比較対照表をご覧ください。
※各項目の具体的な説明は下にありますが、あくまでも理解を優先とする簡易的な表であることを先にお断りしておきます。より詳細に関しては、英語4技能試験情報サイトおよび各資格・検定試験CEFRとの対照表をご覧ください。
比較対象表(簡易版)
テスト | 目安得点 | CEFR | 英検 |
---|---|---|---|
Key (KET) | 120 | A2 | 準2級 |
Preliminary (PET) | 140 | B1 | 2級 |
First (FCE) |
160 | B2 | 準1級 |
Advanced (CAE) | 180 | C1 | 1級 |
Proficiency (CPE) | 200 | C2 | 該当なし |
表の見方
試験:
上から難易度の低い順に並んでいます。Keyが最も易しくProficiencyが最も難しい試験です。「for Schools」か否かは難易度に影響しませんので、ここでは区別していません。
目安得点:
各試験における目標CEFRレベルに達するための下限を示します。例えばKeyであれば、120点以上の得点を取ればA2レベルに認定されるということになります。
CEFR:
「セファール」と読みます。多種多様な英語の資格・検定試験をまとめる共通評価指標であり、A1~C2までの6段階があります。下の項目をクリックすると各レベルの評価一覧が表示されます。
英検:実用英語技能検定の各級との対応を示します。例えばKeyであれば、120点以上を取ることで英検準2級に合格したのと同じレベルと見なされます。
いつどこで受検ができるのか?その前に要注意!
受検の目的によって申し込み方法や受検会場、日程等に違いがあります。特に、大学入試で利用するために受検する人はくれぐれもご注意ください。
大学受験での利用を目的とした受検
大学入試英語成績提供システムでの活用を考える場合は、こちらの専用サイトから申し込む必要があります(受付開始は2020年2月です)。
それ以外の受検結果は大学入試で利用できません。本当に注意してください。
会場一覧はこちらです。
大学受験以外の目的での受検
大学受験とは関係なく受検する場合、ケンブリッジ英検のサイトから認定試験センターを探すことも一応できますが、全国の河合塾で受検可能ですので、河合塾のサイトのこのページを参照したほうがよいでしょう。北海道から九州まで各地方に会場があります(具体的な場所はこちら)。
受検料はいくら?
受けるテストによって、あるいは主催する団体によって異なります。以下は河合塾のサイトに掲載されている料金です。
テスト | 受検料 |
---|---|
Key (KET) | 9,000円(税抜) |
Preliminary (PET) | 11,000円(税抜) |
First (FCE) | 18,500円(税抜) |
Advanced (CAE) | 20,500円(税抜) |
Proficiency (CPE) | 23,500円(税抜) |
※for Schools版も同額です。
過去問や参考書はあるの?
過去問はありませんが参考書はあります。
※商品画像が表示されていない場合がありますが、リンクは正しく機能していますのでご了承ください。
参考書(日本語)
Key対象
Preliminary対象
日本語で書かれた参考書でお薦めできるものは数が少なく、上の2冊くらいしかありません。それでも、ほとんどの高校生はKeyかPreliminaryを受けると思いますので、とりあえずどちらか1冊を持っておけば安心できるでしょう。
ちなみに、英語で書かれた参考書は豊富です。興味のある方のために、次のような書籍をお薦めしておきます。
参考書(英語)
Key for Schools対象
Cambridge English Key for Schools 2 Self-study Pack
Preliminary for Schools対象
Cambridge English Preliminary for Schools 2 Self-study Pack
First for Schools対象
Cambridge English First for Schools 2 Student’s Book with answers and Audio
Advanced対象
Cambridge English Advanced 3 Student’s Book with Answers with Audio
Proficiency対象
Cambridge English Proficiency 2 for updated exam. Self-study Pack
今更だけど…そもそもケンブリッジ英検って何?
ケンブリッジ英語検定は、ケンブリッジ大学英語検定機構によって開発、提供されるテストです。
ケンブリッジ大学英語検定機構は、英国ケンブリッジ大学の一部門であり、非営利組織です。
1858年に始まった歴史あるテストで、現代における受検者は世界130ヵ国で年間約550万人おり、20,000を超える大学・企業・省庁などの機関によって英語力の証明として認定、活用されています。
日本の大学では、東京大学、京都大学、早稲田大学、慶應義塾大学などを始めとした、数々の名門大学で入試や単位認定などに採用されています。
2018年3月26日、大学入試で活用できる民間の検定試験の1つとして採用されたことで、日本での認知度を急速に上げてきています。
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