青山学院大学経済学部で、実に14年ぶりに自由英作文が出題されました。
※正確には経済学部A方式での出題であり、過去に出題されていたのはB方式だったため、初出題と言ってもいいかもしれません。
この記事では、問題の分析と対策法を掲載しています。
問題はこちら↓を参照してください。
概評
所感
これまでA方式では自由英作文の出題はなかったため、受験生のほぼ全員が面食らったのではないでしょうか。
ただし、一般的に新形式問題の難易度は易しめに設定される傾向があり、この問題も例外ではありませんでした。
形式は読解融合問題でやや特殊問題の位置づけではありますが、内容としてはつい昨年日本で報道された話題なので、知っていた人もいたのではないかと思います。
語数も50語以内と少ないので、書くべき内容さえはっきりと整理できていればそこまで時間はかからなかったでしょう。
総じて取り掛かりやすく、難易度は易しめと言えるでしょう。
ただ、どうでもいいことですが、この話題は経済学部というより経営学部向きなような気がします。
分析
読解融合形式で50語以内の自由英作文です。
50語以内ですから、絶対に50語を超えてはいけません。51語でもアウトです。
逆に、下限は40語と考えるべきです。基本的に英作文は上限の80%は埋めるべきとされています。
さらに、英語での注意書きで「本文中にない例を少なくとも1つ挙げて」という注文があるので、これも必ず守りましょう。
テーマは『航空会社(及び日本の企業全般)は障がいを持つ顧客に対してどのような責任を負うべきか』というものでした。
特に当たり障りなく書くならば(試験は基本的にそうすべきですが)、以下のようになるでしょう。
企業はどんな顧客にも平等にサービスを提供できるよう努力すべき責任がある
細かいことを言いますが、「~を提供する責任がある」とすると少し厳しすぎますので、「努力する」を追加して表現を和らげています。
自由英作文を添削していると、結構な頻度で極端すぎる主張をしてしまう人がいますので、現実的なラインに持っていくことも忘れないようにしましょう。
さて、最低1つ例を挙げるわけですが、本文中にない例を書くよう指示があるので、本文にある航空会社と車いす以外の例を考えましょう。
たとえば出版社と目の不自由な顧客(読者)、あるいはテレビ局と耳の不自由な顧客(視聴者)など、関連性のある組み合わせを考えます。
そうすると、
目が見えなくても全ての出版物が楽しめるように全出版物に音声CDを付けるべきだ
あるいは、
耳が聞こえなくても全てのチャンネルが楽しめるように全番組に字幕を付けるべきだ
というように分かりやすい例になります。
これで40語以上は埋まります。
対策
大学・学部を問わず基本的な自由英作文対策はこちらをお読みください。
上記を前提とした上で、個別対策の話をします。
ここ青山学院大学-経済学部の自由英作文に対する主要な対策は、基本的な和文英訳の徹底です。
青学-経済の自由英作文は、予め英語の読解素材が与えられています。
となると、書くべき話題が思いつかないという心配はほぼありません。
加えて、語数も50語以内と非常に少なめです。
たとえば、しばしば見かける締めの表現、In conclusion, for the reasons that I have mentioned above …などのような引き延ばし表現も無用です。そういう語句ばかり並べていると中身がないまま語数制限に達してしまいます。
要するに、小手先のテクニックは必要なしということです。それよりも何よりも、正しい英語を書く訓練をするところから始めるべきです。
今まで自由英作文のなかった学部でいきなりの出題でしたから、これまで一度も英作文対策をしてこなかったという人がボロボロ落としたであろうことは想像に難くありません。
たいていの場合、そういう人たちが無理やり何かを書こうとしても英語になっていない答案がほとんどなのです。
英語になっていない答案とは、基本的な文法事項が守られていない答案のことです。
文型のミス、時制のミス、関係詞のミスなどなど。
一度も英作文の対策をしたことがなく、文法ミスが不安な人は、先ほど示した【保存版】自由英作文対策を始めるなら今すぐすべきことはこの3つ!の記事の2ページ目で紹介している和文英訳の参考書を1冊仕上げるのが1番のお勧めです。
これを仕上げた上でまだ余裕があるという人は、同じ語数である文学部の問題を題材に練習してみるとよいでしょう。
赤本を揃えよう
過去問なしで受験はできません。必ず自分専用のものを1冊持ちましょう。
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