PR

【2019解答速報】慶應義塾大学(看護医療学部)の英語の全文和訳と解説【2月11日実施】

記事内に広告が含まれています。

← 大学入試情報トップページに戻る

このページでは、2019年2月11日に実施された慶應義塾大学(看護医療学部)の英語長文問題の全訳と、重要な箇所を中心とした解説を掲載しています。

実際に試験を受けた人も、まだこれから試験を控えている人も、今後の勉強の良い参考になると思いますので、ぜひご利用ください。

※短文形式の問題(主に語彙・文法知識を問うもの)については掲載予定はありませんが、お問い合わせよりご質問等を頂ければすぐに対応致します。

2019年度慶應義塾大学(看護医療学部)の和訳

第6問-全訳

※便宜的に段落番号を振っています。

1.

私の両親は私の何よりの精神的支えだったので、2人にTuesdayを好きになってほしかった。2人に感心してもらいたかった。2人が疑い深い性格なのは知っていた。父にTuesdayのことを教え、80種類の命令を覚えていると話すと、まるで本気にせずに茶化して笑い、「へえ、そりゃお前よりも賢いな」と言った。

英文解釈

scepticalはイギリス英語での綴りで、アメリカ英語ではskepticalと綴ります。第3段落のstabiliseも同様にイギリス英語の綴りで、アメリカ英語ではstabilizeと綴ります。

英和辞書を引いても出てこない場合、アメリカ式の綴りで引いてみましょう。

2.

母は何も言わなかった。母は私の状況の深刻さを、父よりもさらによく理解してくれた。母は私のことを誰よりもよくわかってくれていたから。母は、私がアメリカでの生活を取り戻そうとしているのをじっと見守ってくれていた。私が前回の感謝祭をラム酒で過ごしたことを母は知っていた。母は私の変化を見て取った。母は本当に恐ろしがっていた。

英文解釈

最後の一文が言いたいのはおそらく、「戦争によって人はこんなにも変わってしまうのか」といった意味が込められているのでしょう。

3.

母はTuesdayが答えであると信じなかった。息子は精神と身体の病気で苦しんでいる。独りぼっちだ。自殺すらしかねない。犬がそうした問題を解決できるなどと考えるのは、母にとって馬鹿げたことだった。身体の介助という点でTuesdayができることを、母は理解しなかった。介助犬が障害者のバランスを整えて安定させ、日々の雑用をこなしてくれているところを目の当たりにするまでは、その人の生活にどれほど大きな影響を及ぼすかは理解しようがないことなのだ。

英文解釈

最終文後半部分に誤植があります。

誤:you can’t understand how much if affects that person’s life

正:you can’t understand how much it affects that person’s life

itはa service dogのことを指します。ifではaffectsの主語がなくなり、文として破綻します。

4.

しかしそれ以上に、母は犬が好きな人ではなかった。ジャイアント・シュナウザーのマックスすら、好きになることはなかった。私にとってマックスがどれほど重要な意味を持つかということを分かってくれはしなかった。母が見ていたのは毛と汚物だけだった。母には分からなかった。動物との親交が心理や感情にどれほどの影響力を持つか・・・どれほど孤独や苦痛を和らげてくれるかということを。

英文解釈

第3文のhow much he meant to meの中のmeanは「重要な意味を持つ、大切である」の意味。

文型で見るとhow muchは目的語。以下のような例文もある。

What you said meant a lot to me.「あなたの言葉は私にとってすごく重要な意味があった。」

5.

私は母に、Tuesdayが良い考えであるということを納得してもらいたかった。犬を溺愛するあまり、より良い選択肢を捨てて妥協してしまったのだと思ってほしくなかった。私はセラピーにも通っていたし、20種類もの薬を定期的に飲んでいた。Tuesdayはそうした治療法の一種であり、効果が出ているのだ。もし私が、母のような疑い深い人を納得させうるとすれば、説得がうまくいく可能性を信じて自分に自信を持つことだろう。自身は大切である。

英文解釈

注の付いたforegoだが、この綴りは普通「先行する」の意味を表すもので、注にある「なしで済ます、控える」の意味では普通forgoと綴る。ネイティブでも混同しやすい単語なので注意が必要。

6.

両親の家の快適さには本当に驚いた。私にとってもTuesdayにとっても。人の性格を厳しく判断する父と、Tuesdayはすぐに意気投合した。その分母がややこしい問題であったが、私は無理にTuesdayを受け入れさせることはしなかった。私はただ、Tuesdayがどれほど非凡な犬なのかを母に見てほしかった。彼はよく躾けられていた。決して吠えたりしなかった。感謝祭の料理が出揃うまでテーブルの下でおとなしく座っていた。一度言うと、母のお気に入りのラグの上を歩くことは二度となかった。母にとってはそれが一番重要な芸だったかもしれない。

英文解釈

第2文のhit it off with Oは「Oと仲良くなる、意気投合する」の意味の重要表現。

空所2は、直後のwhichが指す内容として適切なものを選べば良い。his most important trick「彼のもっとも重要な芸」がヒントとなる。

7.

Tuesdayは私の生活に大きな変化をもたらした。その中には母が理解してくれると思うこともあった。目の前のことに集中できることが増え、有害な思考の悪循環に陥ることが少なくなった。良く眠れるようになった。人付き合いが良くなった。自分の体に自信が持てるようになった。そして、これは母が間違いなく喜んだに違いないが、飲酒の量がだいぶ減った。Tuesdayに感謝である。

英文解釈

最終文は直訳すると「私はそれがTuesdayに対する感謝の気持ちを与えるのに十分な理由だと思った」となるが、あまりにも分かりにくい日本語なので、上の和訳ではあえてかなりシンプルにした。

8.

「お行儀のよい犬ね」外出した際に母が言った。それは愛情でも、ましてや敬意でもなかったが、幼いころに数えきれないほどの礼儀作法を私に仕込んだ女性の発言と思うと、それは驚きだった。「ありがとう、Tuesday」家に帰る列車の中で私はそう言って腕を伸ばし、古くからの友人であるかのように彼の肩を抱いた。

英文解釈

下線部(4)の最後の部分(it was a start)は要注意。

名詞のstartには「始まり」の他に「(ハッとするような)驚き」の意味があるため、「それが始まりだった」「それは驚きだった」の2種類の和訳が可能であり、文脈判断が重要となる。

ここでは直前の内容を受けて「驚き」と捉えるほうが自然だと思うが、設問4の選択肢を見ると、出題者は「始まり」と捉えているように見える。

出典:Montalván, L. C. (2011). Until Tuesday: A wounded warrior and the dog who saved him. London: Headline.

設問

1. A. 犬を買ってきて家で飼う費用について彼女は文句を言った。
  B. 彼女は私の犬を大変嫌い、彼の顔すら見なかった。
  C. 彼女はペットを飼うことの負の側面にしか注意を払わなかった。
  D. 彼女は私たちの身体的な絆は分かったが、心理的な部分は分からなかった。
2. A. 一度言われると、彼は母のお気に入りのラグの上を歩くことは二度となかった。
  B. いつものように、帰りの列車の中でTuesdayは眠った。
  C. 彼は二階の大きな寝室で私と一緒に眠るのが大好きだった。
  D. 父が新聞を読んでいると、Tuesdayは彼の背後に忍び寄った。
3. 目の前のことに集中できることが増え、有害な思考の悪循環に陥ることが少なくなった。
4. C
5. 筆者が、母はTuesdayを受け入れることはないと思っているのはなぜか。
  A. 彼女は犬が何かの役に立つと思っていないから。
  B. 彼女はこれまで介助犬というものを見たことがなかったから。
  C. 彼女は犬は厄介なものだと思っているから。
  D. 彼女は薬の方が効果的だと思っているから。

第6問-解答

1. C 2. A 3. 目の前のことに集中できることが増え、有害な思考の悪循環に陥ることが少なくなった。 4. C 5. A

次によく読まれている記事

慶應義塾大学の合格最低点と倍率の推移【2006~2023】
慶応大学の合格者成績を最大17年分掲載。文学部、経済学部、法学部、商学部、医学部、理工学部、総合政策学部、環境情報学部、看護医療学部、薬学部についてまとめています。
https://yobimemo.com/daigakunyuushi/shidai/keio-gokakusha-bairitsu/
慶應義塾大学-看護医療学部の自由英作文テーマ一覧【2004~2019】
慶應義塾大学-看護医療学部で過去に出題された自由英作文を全て(2004~2019)掲載しています。

← 大学入試情報トップページに戻る

コメント

タイトルとURLをコピーしました